■加藤修一委員
環境教育読本について、これも共有して作るような話が出ているようでありますけれども、これは極めて私は重要なことではないかなと、そう思っております。
そういった意味では、日本の四大公害病の関係ですか、そういう経験と教育の関係についてもしっかりとそういう面に反映をさせていただきたい。あるいは、予防原則の関係、あるいは持続可能な開発のための教育、ESDの関係でありますけれども、そういう面についてもやはりしっかりと対応できるようにしてすけれども、いずれにいたしましても、様々な形で子供を取り巻く環境というのは極めて深刻な状態になりつつあるということでありますので、こういった面にかかわるアジェンダをしっかりとのせていただきたいと、このように思っておりますけれども、外務省、よろしくお願いいたします。
■西村外務大臣政務官
先般開催されました日中韓サミットにおきまして、これはもう環境大臣の御尽力で日中韓環境大臣会合において三か国の共同行動計画が採択されたわけでございますけれども、この中でも化学物質の適正な管理については重要な協力項目として盛り込まれております。それは確認されております。ですので、化学物質の適正な管理ということにつきましては各国共通の深刻な問題であると、特に将来を担う子供の環境と保健が脅かされているということについては、大変重要な問題であるというふうに考えております。
御指摘いただいたG8サミット、G20サミット、そしてまたAPECの議題について俎上にのせるべしという御指摘でございますけれども、この議題についてただいま関係国とともに協議を進めているところでございます。いかなる議題設定になるにせよ、外務省としては、今後とも関係省庁と緊密に連携して子供の健康と環境の確保に向けて国際的な連携を深めてまいりたいと考えております。
■加藤委員
それと、あわせて、アジアにおけるこれはアスベストの問題でありますけれども、使用が依然として続いていると。将来が懸念されるわけでありまして、アジア諸国のアスベスト禁止条約の批准、それに向けてやはり環境醸成を行うことであると思っておりまして、昨年はタイのバンコクで第二回のアジア・アスベスト・イニシアチブ、AAIが開催されまして、第3回は11月に福岡市で、WHO、ILO、国連大学等を含めてやる予定になっていると聞いておりますが、これ、外務省あるいは環境省、厚労省などの協力が必要だと思っておりますが、この辺について御答弁をお願いいたします。
■西村外務大臣政務官
御指摘のとおり、このイニシアチブにつきましては、平成20年10月に北九州で第一回会合が開催されております。このときには環境省、厚労省とともに外務省も招待を受けておりまして、参加した経緯がございます。
第三回会合の開催についてはいまだ承知しておりませんが、いずれにいたしましても、関係省庁とよく連携をして対応してまいりたいと考えております。
■田島一成環境副大臣
委員も御承知のとおり、これまで日本が培ってきました石綿に関する技術や経験、これをやはりアジア全体で共有し合っていくことは大変重要なことだと考えておりますし、日本がこれまで重ねてまいりましたアスベスト被害の現状等々を二度と他国で、アジアでとりわけ繰り返すことがないようにその先導的な役割を果たしていくこと、これは大変重要なことだと考えております。
私自身も過去、NGOが主催するアジア・アスベスト会議等々にも出席をさせていただいてまいりました。まだまだその被害の実態に認識がない国もあり、またアスベストの健康被害等々に対する認識も薄い、そういったところも大変多うございます。こうした中で、これまでの経験をきちっと英文の報告書に取りまとめてアジア諸国に配付をするでありますとか、平成21年1月には日本で、また22年3月にはインドネシアで石綿対策に関するアジアのワークショップを開催するなど、取組を実施してきたところでもございます。
アジア各国のアスベストに関する課題の抽出をしっかりとさせていただきながら、各国の実情に応じた技術支援、協力を今後も強化していきたいと考えておるところでございます。
■平野良雄政府参考人(厚労省労働基準局安全衛生部長)
厚生労働省といたしましても、アスベストによる健康影響に関する我が国の知見を正確にアジア各国に伝えるということが肝要であるという観点から、今御指摘のございましたアジア・アスベスト・イニシアチブ活動などにつきましても職員を講師として派遣するなどの支援を行っているところでございます。これらの活動を通じまして、アジア各国のアスベスト対策の推進の支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
■加藤委員
アジア諸国等におきましては、このアスベスト禁止条約、批准しているのは恐らく日本と韓国だったと私は思っておりますけれども、やはり批准をするということが極めて重要だと思っています。批准に向けて環境醸成を図るべきであるということと同時に、こういう問題についてもサミットのアジェンダとして考えるべきだと思っておりますが、外務省、よろしくお願いいたします。
■西村外務大臣政務官
御指摘のとおり、アジアにおいてこのILOの石綿条約を批准しているのは日本と韓国の二か国のみでございます。今後はより多くの国が締結をいたしまして、実効的な対策を取ることは望ましいというふうに考えております。
アジェンダ設定については、先ほど答弁したとおりでございまして、ただいま協議中ということでございますけれども、いずれにいたしましても、ILO石綿条約の締結を促進するための環境醸成というものは、委員も取り組まれておられるとおり、本当に重要なことだと承知しております。政府全体としてもそのために地域的な取組を積極的に行っておりまして、例えばアジア各国からの実務者などを招いたワークショップやセミナーを開催しております。
外務省としては、関係省庁と今後とも協力をいたしまして、アスベスト対策の重要性についてアジア各国の認識が深まるように努力をしてまいりたいと考えております。
■加藤委員
カナダなんかもインドの方に相当数輸出しているようでありまして、対人地雷の禁止条約を作った国としては何かよく分かりづらいなという、そういう輸出の在り方だと私は思っております。そういうことも含めてしっかりと対応していくことが日本としては大事だなと、こんなふうに考えております。
それから、地球温暖化が進んでまいりますと、当然自然の災害というのが増えてきているというのは様々な統計に表れているわけでありますけれども、サイクロンとか台風の関係、これで自然災害が相当数起こっているのも皆さん御承知の件でありますけれども、やはりこういった点についても適応政策の一環として社会システムをしっかりと充実させていく方法が必要であると。
中南米、カリブ海なんかはもうハリケーンが相当発生しますので、自然災害保険を地域全体でやっているわけですね。世界銀行が後押しをしながらやっているというふうに聞いております。再保険の関係を含めて、地域全体ということを考えていきますとそれなりのことをやっていかなければいけない。これは日本もやはりそういった面についての先導性を発揮すべきだと考えておりますが、これは外務省に聞いた方がいいのかなと思っておりますけれども、お願いいたします。
■西村外務大臣政務官
お尋ねの災害時の自然災害の保険制度の導入についてでございますけれども、御指摘のとおり、災害対策については、災害を事前に防止するという、予防するという防災の観点と、また実際に災害が発生した後に復旧・復興支援を迅速に行うという観点の双方からの取組が必要であると考えております。
保険の活用については、災害からの復旧・復興支援を行うに際して、リスク分散を行うという、こういう観点から有用なものとなり得ると思います。ただし、多様な自然災害に直面して経済規模や発展の度合いも様々なアジア地域において有効な仕組みを構築できるかどうかということについては、各国や国際機関とも連携しながら引き続き検討が必要であると考えております。
カリブの諸国におきましては、御指摘のとおりカリブ防災ファシリティーが成立しておりまして、アジア太平洋地域においてもアジア開発銀行が自然災害保険メカニズムについての検討を行っているものと承知をしております。
防災協力や災害対処といった命を守るための協力というのは鳩山政権が掲げる東アジア共同体構想の一つの柱でもございますので、今後、アジア諸国と防災分野での政策対話を行う際には、御指摘も踏まえて検討してまいりたいと考えております。
■加藤委員
JBICの関係の法律も変わって、より一層自由度ができてきておりますので、そういう面も積極的に活用して、地域全体としての自然災害の保険制度というのを、既にタイの方はそういう方向性で進んでいるというふうに伺っておりますけれども、是非積極的な対応を日本としてやるべきであるということを強く主張しておきたいと思います。
■荒井広幸委員
今日は外務省さんが時間がないというので早速質問しすが、この法律の中で、大体基本法が羅列している項目なんですよ。我々も、議員立法、少子化社会対策作りましたので、そういう組立てが非常に似ております。もうちょっと違う組立てがあってもよかったかなという感じはいたしますが。
その中で、自発的な活動の促進、第24条。これは項目立てとしては、私はその中でも、先ほどから背中を押すとかいろんな表現ありましたけれども、これはいろいろな団体、個人を尊重するという意味で非常にいいと思っております。
この24条に、「民間団体等の温室効果ガスの排出の抑制等に寄与するための活動に関する情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。」と。どうしても、その他と言って幅広く持たせたり、意見の調整が付かなかったことはこの中に含んで後で調整するというものも含みますので、何を言うかが分からないので具体的にお話をさせていただきたいと思います。
それは、いわゆる京都議定書ということでありました。コペンハーゲンでは残念ながら先送りをされたわけです。まだポスト京都、京都議定書というのが生きている。こういう意味でいきますと、2013年ですね、以降どうするかといったときに、これがきちんとまとまる方向にやってもらいたい。そうすると、京都会議というのはある程度残るかもしれませんが、議定書、京都というのは残るかもしれない、つまりジャパンです。しかし、もうそれ以降余り顧みる人はいなくなるんだろうと。それでもいいんです、地球が良くなれば。
しかし、我が国が世界に先駆けてこの京都議定書をまとめて地球温暖化に対するスタートを切った。それを受け継いで民間団体が、環境のダボス版の会議を京都会議という名称でやりたいと言っているわけです。ダボスは経済全般です。そのときのいろんな問題あるでしょう。京都において、地球温暖化、環境に特化した京都会議というものを引き継いでやっていきたいというNPOや民間の方々がいるんです。こういう方々は国の力はできるだけ借りない、自分たち、自前でやっていくと。しかし、様々な連携、連帯というのは必要になります。
こういった場合に、通告しておきましたけれども、こういう団体について、外務省さんとしては、京都議定書以外に国際条約で我が国の中での地名が冠されているというものはありますでしょうか。
■西村外務大臣政務官
我が国の地名が冠された条約があるかというお尋ねでございますけれども、いろいろと試みてはみましたが網羅的に把握するということはなかなか困難であります。
しかし、例えば航空機内で行なわれた犯罪その他ある種の行為に関する条約というものがございますけれども、これが通称として東京条約と呼びなわされている例がございます。
■荒井委員
なかなか見付からない、ないんですよ。そうすると、京都議定書、そして世界中がポスト京都と言っている、これはやっぱり非常に日本の、日本人のそういう考えや心を世界に環境でこれだけ知らしめているのはないんです。これは、与野党の先生方に大臣経験者もいらっしゃいますし、民間団体でも大変な重要な役をやっていらっしゃる方があります。私は、こういう方々が糾合されて、それで京都という名前を、日本人の環境に対するあのときの姿勢、さらにそれをもって更に進む姿勢、そういうものとして、象徴的なものとして京都会議を開いていくんだと、環境版ダボス会議だと、民間が主催していくんだと。そういうものについて私は非常に共感を持っているんですけれども。
こういう話を聞きまして、通告をさせていただいておりました、過去の私の質問も読んでいただいたと思いますが、環境大臣としてどのような感想を持たれるか。そして、その場合に、その他の必要な施策を講ずるもの、それにふさわしい大臣であるとしたら、そういういろいろな支援は、彼らが求めるものはできる限りやっていただけると、そういう意味でのその他なのか、ちょっと具体的なことにわたりましたけれども、大臣の御見解をお聞かせください。
■小沢鋭仁環境大臣
温暖化の問題は、これは人類共通の課題として取り組まなければならない問題でありますので、国家のみならず、いわゆる政治家、企業家、あるいは学者、NGOなどいろんな関係者が集まって議論をして認識を共有する、そういったことは大変有意義だというふうに思っているわけでございます。
ダボス会議の環境版と、こういう言い方でありましたけれども、ダボス会議の細かい運営の在り方まで私、承知しているわけではありませんが、そういったダボス会議、環境版が京都という名をまた継承しながらやれるという話であれば、それは大変すばらしいなと、こういうふうに思っているところでございます。そういった意味において、これからそういう会議の在り方みたいなものがどんなものなのかなという話を私も少し調べてみたいと、委員の提案によって今考えているところでございます。
ただ、もう一つ、これははっきりさせておかなければいけない話は、いわゆる今回のCOP15でもそうでありましたけれども、いわゆる京都議定書の単純延長は日本は認めないと、こういう立場を申し上げてきているのは委員も御承知のとおりです。そのときに、いわゆる京都を殺すなと、こういう話をされる方たちがかなりいました。
それは、我々としては、京都という地名が付いているので、大変そういった意味ではそういう言われ方をするとつらかったわけでありますけれども、しかし同時に、もちろん、だから京都議定書の中に米国も入り、また、中国も途上国とはいえまた違った形がつくられて、さらに京都議定書が新しい枠組みになって第二次期間がスタートするということであればベストでありますけれども、そうでない場合に、なかなか京都を殺すなと、こういう話だけで我々は政策選択もできないということは、これ若干余計なことでありましたけれども、改めて申し上げておきたいと思います。
■荒井委員
いやいや、それで私はいいと思うんです。その精神を受け継いで次の段階に発展していくんですから、大臣のお考えでよろしいと思うんです。別に、何というんですかね、ノスタルジック的な話で言っているのではないし、感情的な話でもございません。大臣と私、もう知り合って30年、お互いに政治家を目指そうと言っていたのを懐かしく思い出すわけですが。
今の政治状況を考えますと、残念ながら政権交代を含めて我々全員が政治不信を招いているようです。それだけに、理念で訴えていく中身で、これから各法律ということ、具体的な制度を設計するということなんですが、それがやっぱり国民に見えないから政治家は信用できないんですよ。だから、その意味において、ここで呼びかける、あるいはここでやると言ったことは、一部出しているものもありますが、早く制度なり仕組みなり国民の協力の形というものを具体的にいただけるような手順を、仕掛けをしなくちゃいけないということだと思います。
25%ということだけがここではっきり突出しているんです。あとはみんな漠然としているんです、呼びかけもありますから。その他でごまかしていく。これではやっぱりなかなか、普天間問題と同じように世間を騒がせるだけのものになってはいけないと、こういうふうに思いますので、あと4、5回ぐらい総理を含めて議論の場があろうと思いますので、お話をその場でさせていただきたいと思います。
3日の日は小宮山東大総長も来ますので、いわゆる環境国債、あるいは自立国債ということも聞きますから、それを基にまた聞きますので、また聞いてなかったというようなことがないようにきちんとしていただきたいと思います。
そういう新たな枠組み、工夫、創意工夫というものを盛り込まなければ、革新的な技術とか社会の共生と言っても駄目であると。具体的に何を言うのか、何を想定しているのか、どうつくるのかという具体論は次回にさせていただきたいと思います。