2002年7月、国連人権高等弁務官事務所が「人権および人身売買に関して奨励される原則および指針」報告書を作成しました。この指針に基づき、人身取引の被害者保護を法目的に明記し、被害者の救済・支援を柱とする包括的な法整備が必要であると考え、第163特別会において、「人身取引等の防止及び人身取引等の被害者の保護に関する法律案」を政府・与党にさきがけて取りまとめ、提出しました。
人身取引をめぐっては、2004年6月にアメリカ国務省が日本を監視対象国に指定したことを受け、政府がやっと重い腰を上げ人身取引の問題に取り組み出しました。
政府は、接客する外国人女性の就労資格確認を業者に義務付け、怠った場合の罰金を新設することなどを盛り込んだ風営法改正案で対処するなど、罰則強化に重点を置いています。
それに対し民主党法案では、国・地方自治体に被害者保護対策に取り組む責務があることを明記しました。さらに内閣府に首相を本部長とする人身取引等対策本部を設置することや、基本計画の作成や重要事項の審議などを行うとともに、国の責任で「人身取引等被害者保護センター」を設立して被害者保護のための業務を担当することとしています。民主党は被害者の発見・保護・援助・自立支援の充実を目指し、被害者の保護、救済に重点を置いています。