■西村智奈美委員
民主党の西村智奈美でございます。きょうは、第三分科会でございますけれども、関連がございましたもので、総務省の政府参考人の方からもお越しをいただきました。ありがとうございます。
実は新潟市、私は新潟一区の選出でございまして、三月二十一日に、この新潟市が十三の市町村と合併をいたしました。面積が六百五十平方キロメートル、人口はおよそ七十八万人、食料自給率は、カロリーベースですけれども、六一%という驚異的な都市になりまして、今後、できれば政令指定を受けたい、政令指定都市への移行を目指している、こういう町でございます。
ただ、そもそも政令指定都市というのは、お伺いしますと、もともと大都市問題に対応するためにでき上がった制度だということだそうでございまして、昭和三十一年に政令指定都市という仕組みがスタートしてから、六大都市を皮切りといたしまして、次々と指定をされてきたということなんですけれども、現在は十三ですか、十四ですか。済みません、お願いいたします。
■前田雄吉主査代理
挙手で発言を求めてください。
総務省武智自治行政局長。
■武智健二政府参考人(総務省自治行政局長)
十七年四月一日、静岡市が移行をいたしまして、現在十四市になっております。
■西村(智)委員
ありがとうございます。十四市ということなんですね。
平成十三年度に市町村合併支援プランが出されまして、実は、私、このころから政令指定都市に対する考え方というものは大胆に変わってきているのではないかというふうに思っています。地方自治法には、政令指定都市の要件としては人口五十万人、こういう要件しか書いていないわけでございますけれども、市町村合併支援プランにおきましては「指定の弾力化」という項目が入りまして、「大規模な市町村合併が行われ、かつ、合併関係市町村及び関係都道府県の要望がある場合には、政令指定都市の弾力的な指定を検討する。」というふうにありますが、この意味するところを教えていただきたいというふうに思います。
つまり、私が推察しておりますとおり、政令指定都市の歴史的な意義ないしは目的が変化したということになるのかどうか。人口減少社会に転じつつありますので、政令指定都市は、人口が急激に増加する、そういう大都市問題に対応するためのものではなくなったのかどうか。あわせて、今後の政令指定都市のあり方について認識を伺います。
■武智政府参考人
まず、指定都市制度の意義について御説明をさせていただきたいと思います。
ただいま先生からも御指摘ございましたとおり、指定都市制度というものは、大都市特有の課題を一元的に処理することによりまして、大都市の行政運営の合理化を図ろうとするものであります。社会福祉でありますとか、保健衛生、都市計画、土木行政といった市民生活に直結した事務につきましては、その都市の規模、能力に応じて住民に身近なところで事務権限を行使できるようにするため、一定の都道府県の事務を指定都市に行わせるという事務配分の特例等を設けているところでございます。
そして、指定都市の要件でございますけれども、これも先ほど御指摘がありましたとおり、法律上、地方自治法の二百五十二の十九でございますが、人口五十万以上の都市としか書いてございませんが、具体的な指定に当たりましては、立法の経緯でありますとか、ただいま申し上げました事務配分等の特例を設けている趣旨から、人口その他都市としての規模、また行財政能力等において、従来の指定都市と同様の実態を有すると見られる都市をこれまで指定してまいりまして、先ほど申しました十四市になっているということでございます。
一方、市町村合併プランにおきまして、平成十三年の八月に決定されたものでございますが、先ほどお話のありましたような、大規模な合併が行われ、かつ、関係合併市町村及び関係都道府県の要望がある場合には、弾力的な指定を検討するとされておりますが、その意味するところは、市町村合併の推進という観点や地方分権の推進という時代の要請等にこたえるものということでございます。
ということで、今回の新潟市につきましても、市町村合併支援プランの適用になるわけでございますが、市町村合併の進展によりまして確かに大都市の姿も多様化しているところでございまして、また、今後それが進むと予想されるところでございますが、指定都市の制度に対する考え方自体はこれまでどおり、変わっているものではございません。
■西村(智)委員
変わっていないということでよろしいですか。昭和三十一年と申しますと、非常に人口が急激に増加しているところで、政令市に移譲された権限を見ましても、そういった大都市問題に対応するということから生じた制度ではないかというふうに見ておりますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
■武智政府参考人
先ほど要件について申し上げましたが、さらに具体的に申し述べさせていただきますと、指定都市の具体的な指定に当たりましては、人口で申し上げますと、これまで、人口が百万人程度、これは近い将来百万になる見込みの市も含むという理解であります。また、それ以外に、既存の指定都市と比べて遜色のない都市的形態及び行財政能力が備わっている、やや抽象的でございますが、二つ目にはこういう条件を考えております。また、指定都市への移行につきまして県と市の意見が一致しているというようなことも考えておりまして、これらの状況を具体的に勘案しながら個別の検討は行われてきたというところであります。
具体的に人口について御指摘があったものですから、新潟市について述べますと、去る三月二十一日に十二市町村の広域合併が実施をされ、人口が約七十八万になったと承知をしているところでございますが、この点につきましても、先ほど申し上げました合併支援プランの適用対象となるわけでございますが、この点についても合併支援プランの考え方も踏まえながら、先ほども申し上げました人口の要件も加え考えていくということになると思います。
■西村(智)委員
それでは、これまで十四の政令市があるということなんですけれども、地図でポイントを打っていきますと、おおよそ太平洋側の都市だというふうに思うんです。これは全総の流れからいいましても、太平洋ベルトを中心に日本の経済成長を引っ張っていこうという当時の考え方からすると、政令指定都市が太平洋側にだけ存在するということはわからなくはないんですけれども、これから果たしてそういう状況でよいのだろうかと思うんです。
つまり、端的に申し上げますと、これからは北東アジア、環日本海、こういった日本海の対岸地域にも目を向けた地域間交流、国際交流が非常に重要になってくる時代に入ってくると思いますし、そういった観点からも、ぜひ日本海側に政令市が存在すべきではないかと私は思うんですけれども、政府参考人の認識はいかがでしょうか。
■武智政府参考人
ただいま先生からも御指摘のありましたとおり、戦後の我が国の発展形態におきまして、太平洋側が特に発展をしてきたということだろうと思います。そして、先ほど申し上げましたとおり、人口の点で申し上げれば百万というのが一つの具体的な基準になっておりまして、それを満たすものがこれまで太平洋側にしかなかったというのが実際の経緯だろうというふうに思います。
そこで、御指摘のありました日本海側にどうかという点につきましては、これまでそういった観点から指定都市について検討したということはございませんけれども、先ほど来申し上げました指定要件にマッチするかどうかという観点から今後とも検討していきたいと思いますが、先生の御指摘の点も一つの視点ではなかろうかというふうに考えているところであります。
■西村(智)委員
分権ということは、そういうことにつながっていくというふうに思うんですね。つまり、国際的な位置づけの中での分権の進展というものも必要だと思っておりますので、ぜひ、検討をさらにお願いしたいというふうに思います。
せっかくの機会ですので、新潟市が仮に政令市に指定されたときの地方選挙のことについてお伺いをしたいと思っています。
次の統一自治体選挙が二年後ということになっておりまして、細かい話をして大変恐縮なんですけれども、四月の第二日曜日が四月の八日でしたか、これは政令市の日程、スケジュールとあわせて考えるとかなり難しい問題になってくるのではないかなというふうに思います。市議会議員の選挙のことなんですけれども、あわせて県議会議員選挙が同じ日に行われるとしますと、実は県議会の方では、特例で旧市町村の区割り、つまり現行の区割りで選挙をやるというふうな条例をつくったのですが、今、県議会の民主党関係会派を中心に、その条例を廃止しよう、それは有権者のわかりやすさ、利益につながらないというところから廃止しよう、そういう運動もしているのです。
そういった非常に流動的な要素はたくさんありますけれども、こういったことについて、国として何らかの対策と申しますか対応を検討されているのかどうか、お聞かせください。
■久保信保政府参考人(総務省自治行政局選挙部長)
地方選挙につきましては、御承知のように、昭和二十二年の四月に統一して実施されて以来、四年おきに特例法を定めまして統一地方選挙という形で実施をしてまいっております。御指摘のございました新潟県につきましても、前回の平成十五年、実施いたしました統一地方選挙において、新潟県議会議員の選挙、そして新潟市議会議員の選挙、これが統一地方選挙として実施をされております。
そこで、新潟市でございますけれども、平成十九年の四月に政令指定都市への移行ということを目指して今いろいろと運動をされているというふうにお伺いをしておりますが、仮にそれが実現をいたしましたとして、そしてまた統一地方選挙が平成十九年に、特例法をまた私どもが仮に出したとして、と申しますのも統一地方選挙の統一率自体が低下をしておるということもございまして、これはこれでまた御議論をいただきたいところでございます。
いずれにいたしましても、新潟市が政令指定都市になったとして、平成十九年に特例法を出すということにいたしますと、御指摘がございましたように、選挙期日の告示、これが一般の市会議員でございますと七日前ということになっていますけれども、政令指定都市の議員になりますと九日前ということになってまいります。また、選挙区でございますけれども、一般的に市議会議員でありますと、これは全市が一つの選挙区になるというのが原則でございますが、政令指定都市になりますと、県議会議員の選挙区も政令指定都市の選挙区も行政区が単位となってくるということがございます。
仮に前回の特例法でやりましたように第二、第四、第二は県知事、県議会議員、指定都市の市長、指定都市の市議会議員、第四が一般の市町村の市町村長と議員ということでやっておりますけれども、暦を見てみますと、告示が四月よりもさかのぼってしまう、政令指定都市になっていないときに告示をしてしまうとか、そういったことも起き得るわけでございまして、その点につきまして、私ども、何らかの調整を要する事態、これが生じたときにはまたそれなりの対応をしていかなければいけないと考えておりまして、繰り返しになりますけれども、統一地方選挙のあり方自体も含めまして選挙の執行に支障がないように対応をしてまいりたいと考えております。
■西村(智)委員
今の御答弁ですとこれ以上何も申し上げることもできないのですけれども、あと二年というふうに非常に時間も迫ってきておりますし、何よりも有権者に選挙区の告知なども含めてかなり周知をする必要があるというふうに思いますので、できるだけ早目早目の検討をお願いできればというふうに思っています。
さて、島村大臣、お待たせいたしました。先日の合併記念式典のときにはお出ましいただきまして、本当にありがとうございました。大臣にはまず、農林水産業分野における地方分権について、ざっくりとお考えをお聞きできればというふうに思います。
今回、通常国会で特区の全国展開などもいろいろ検討されているようでございます。私たち民主党は、市民農園の開設主体の拡大ということについては賛成をさせていただきましたけれども、そういった国、農林水産省の特区についての取り組みを見ておりますと、民に対する信頼は農林水産省の中で少しずつ積み上がってきているのかなというふうに実は感じております。新食料・農業・農村基本法の中でも、そういった民間ですとか、地方自治体ですとか、関係団体、こういうところとの連携でこの基本計画を推進していくのだというふうに挙がってきております。
民間の方は信頼は強まってきているというふうに見るのですけれども、一体、では地方自治体については農林水産省はどういう感想を持っておられるのだろうかということをちょっとお伺いできればと思っています。
■島村宜伸農林水産大臣
お答え申し上げます。
農林水産業は、地域のさまざまな自然的、社会的諸条件の中で営まれていることから、国と地方が適切な役割分担のもと、地域の自主性が十分に発揮されるよう相協力して施策を実施していくことが重要であります。
農林水産省としては、このような考え方のもと、これまでも、地方分権の推進の観点から、権限の移譲や地方公共団体に対する関与の縮減などの取り組みを進めてきたところであります。その意味で、先般の三位一体改革の際にも、地方自治体の自由裁量の範囲が広がるようにかなりの部分を交付金化しまして、いわば結果において、結果においてというか内容において我々の姿勢を示したと自負しているところであります。
今後とも、国と地方の適切な役割分担のもとで、農林水産行政の円滑な推進が図られるよう、地方分権の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
■西村(智)委員
地方分権一括推進法のときにも随分いろいろな事務を見直していただいて、確かに地方への関与の縮減は一定度はあったんだろうというふうには思います。
実は、今ほど総務省の政府参考人にお伺いをしてまいりました政令指定都市との関連なんですけれども、総務省のお考えと私の考えとぴったり一致しなかったのは残念ですけれども、地方の方から見ますと、政令指定都市を、やはり新たな地域づくりと申しますか、まちづくりと申しますか、そういう起爆剤にしたいという非常に強い思いがございます。
新潟市もそうなんですけれども、静岡県の方が、政令指定都市と田園型という言葉をくっつけまして、田園型政令指定都市という言葉を打ち出しておるのです。新潟市も、政令市を目指す中の三本の柱のうち一つがこの田園型政令指定都市、全く一致をしておりまして、何かの偶然かと思ったんですけれども。そういったようなことで、都市が、政令指定都市に含ませたいと思うもののイメージというのは、この間やはりかなり膨らんできているのではないかというふうに思っています。
大臣にお伺いしたいのは、こういった地方自治体の方から、田園型政令指定都市とか、あるいは都市と農村との共生、こういったキーワードが基本計画の中にどんどん入るようになってきておりますけれども、こういうことについてはどういう認識でいらっしゃいますか。
■島村大臣
静岡市を初め政令指定都市の中には、管内にある広い農業地帯を生かし、都市と農村との交流を軸に地域づくりに取り組んでいるところがあると承知をいたしております。
生産と消費の場が近いという利点を生かしたこのような取り組みは、農業、農村の振興とともに、食と農の距離を縮める観点からも重要と考えております。
今回、新たにいわば大合併をなさった新潟市、まさに全国随一の農業都市になられたわけですし、先ほど委員も御指摘になったように自給率六一%、まさにいろいろな表現を使っても決してオーバーでない、実態を伴う新しいタイプの都市が誕生したという意味で私も心から歓迎しているところですし、昔大変お世話になった地域なものですから親しみを持って、いわば歓迎をしたところでございます。
そういう意味で、新たな基本計画におきましては、地域の個性や多様性を重視しまして、都市住民を含めた国民共有の財産として農村の振興を図ることとしております。
グリーンツーリズムや、あるいは直売所の設置推進など、さまざまな施策を通じてこれらの政令指定都市の取り組みを支援してまいる所存でありますが、何といっても新潟市は日本海沿岸随一の都市でもありますから、我々は、一つの牽引車的な存在としての新潟市に対して、我々のできる協力は前向きにやっていきたい、こう考えているところであります。
■西村(智)委員
それでは御質問させていただきますけれども、都道府県から政令指定都市に移譲される権限が、政令市になると幾つかそれぞれの分野ごとにございますが、農林水産分野においては皆無だというふうに承知をしております。
今の段階で新潟県と市の政令市に移行する協議は順調に協力的に進んでおりますし、権限移譲についての協議もこれからということになりますけれども、現行の法律でいいますと政令指定都市に移される都道府県の権限は皆無であるということでございますが、一方で、都市計画の権限が政令市の方におりてくるわけでございますね。この農地転用を政令市におろしていただいて、一体的な土地利用、一体的な都市運営を行うために農地転用の権限も政令市におろすべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
もう一点つけ加えてお伺いしたいのは、中核市連絡会の方から、中核市が農用地利用計画を変更する際に必要とされる都道府県知事の同意を廃止してほしい、こういう要望が出ております。これについてはどうされるのか。二点伺います。
■川村秀三郎政府参考人(農林水産省農村振興局長)
二点、農地の関係でお尋ねがございました。お答え申し上げます。
まず、農地の転用の関係でございます。
農地は、改めて言うまでもないところでございますけれども、まさに農業生産、特に食料供給の基盤でございまして、そういった意味での非常に基幹的な部分でございます。先月閣議決定をいたしました食料・農業・農村基本計画、新たな基本計画でございますけれども、この中でも、農地の転用許可基準につきましては、一層明確化するなど、計画的な土地利用を推進し、優良農地の確保を図るということが明記をされております。
また、政府全体の総合規制改革会議の関係でございますけれども、この第三次答申におきまして、転用の運用が地方行政にゆだねられるということが地権者の利益を反映することにつながっておりまして、転用の規制が厳格に運用されていない原因の一つになっているといったような指摘も受けておりまして、この農地転用許可権限のあり方は慎重に検討しなければならない課題というふうに考えております。
ただ、農地転用の知事許可になっている部分がございますけれども、これにつきましては、地方自治法二百五十二条の第十七の二に基づきまして、都道府県の特例条例の規定によりまして、これは政令都市を含みます市町村への移譲は可能ということになっております。
それから、二点目のお尋ねでございます。農用地利用計画の変更の際の都道府県知事の同意の問題でございます。
農用地利用計画というのは、農業振興地域の整備に関する法律に基づきつくります農振整備計画があるわけでございますが、その中の一定部分でございます。農振整備計画でございますけれども、これは市町村が策定をいたします農業振興のための総合的な計画ということで、集団的に存在します農地あるいは基盤整備が行われました農地などの優良農地を農用地区域というふうにして定めまして、食料の安定供給の基盤でございます優良農地を確保、保全するための基本的な土地利用計画でございます。
農振整備計画を変更する際の都道府県知事との協議、同意の手続は、市町村の計画と、国の指針に基づきます都道府県が策定しております農地の確保等の方針、あるいは広域的な農業振興施策との整合を図るという趣旨でございまして、都道府県にとりましては、都道府県内の農業の振興という都道府県全体の責務を確保するという観点、それからまた、国にとりましても、国民への食料安定供給のための優良農地の確保という国の責務を確保するといった観点から必要不可欠な手続でございまして、廃止を現時点でやることは困難ではないかというふうに考えているところでございます。
■西村(智)委員
三つ四つ申し上げたいと思います。
まず、都道府県と市との協議で権限はおろせるんですよというお話でしたけれども、それだと、一体、国の分権に対する姿勢は疑われはしませんか、と私は思います。これは怠慢、あるいは権限を手放したくない官僚主義と見られてもいたし方ないのではないかということがまず第一点。
二点目は、地権者の利益を守る、あるいは優良農地を確保する、そのために基本的な線は国の方でやるべきだというような、そういう内容の御答弁だったと思いますけれども、一つは、もう地方の方からは、そういったことについても画一的なガイドラインができているのであって、もはやそういったことは不要なんですよという声が実際に中核市連絡会あるいは地方六団体の方からも種々出ているかというふうに思いますけれども、これはどうなんでしょうか、地方と国との間で画一的なガイドラインが既にできているかどうかということについて認識は違うんでしょうか。
最後に、国だったら優良農地あるいは地権者の利益を守れて、地方がそういった農用地ですとか転用の管理監督をするということになると守れないというふうに聞こえますけれども、そうなんでしょうか。
■川村政府参考人
農地の問題は地域地域によって非常に実情が異なります。農業事情も地域によって異なりますので、画一的な移譲というのは現時点ではなかなか難しい面があるのではないかと思っております。
ガイドラインの件につきましても、基準となるガイドラインは出しておりますが、やはりその運用を見ますと全国的にかなりばらつきもあるということで、そのことがまさに先ほども申し上げました総合規制改革会議の第三次答申の中にも反映されたのではないかというふうに思っておるところでございます。
そういうことで、やはり農地というのは、単に、地域の振興にももちろんつながるわけでございますが、都道府県あるいは国全体の食料の安定供給の基盤という観点からも、その観点からのチェックといいますか調整は必要なものというふうに私どもは認識しているところでございます。
■西村(智)委員
食料の安定確保ということですと、つまり、市の方にそういった権限を移すと農用地が減っていくという前提でお話しになっていらっしゃるわけですか。
■川村政府参考人
私どもは一律そう言っていることではございませんで、ただ、地域によって事情が違いますし、その一律的に権限を移譲することは現時点ではまだ適切ではないかと考えているところでございます。
■西村(智)委員
実際に今そういった権限は国ないし都道府県にあるわけですけれども、市におろさずとも農用地は減少傾向に歯どめがかからないのではないかというふうに私は思います。
市におろしても私は大丈夫ではないかと思います。例えば、大型ショッピングセンターが出店をしたいといった地域で、市レベルでその出店計画をとめた、あるいはとめようとしているケース、これは数多くございますね。市にお任せになってもよろしいのではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
■川村政府参考人
再三の繰り返しになって恐縮でございますが、確かにおっしゃるような事例もあるわけでございますが、全国的に見ますと、まだいろいろなばらつきもありますし、必ずしも適切でないという事例もあるわけでございまして、そういう点も勘案しますと、画一的に移譲することは現時点では適切ではない、それぞれの地域で判断をされて移譲されることはあり得るというふうに考えております。
■西村(智)委員
画一的にという言葉の中身については、また後ほど改めて議論をさせていただきたいと思います。
総務省の政府参考人に最後にお伺いしたいんですけれども、やはり分権は、総論賛成、各論になりますとこういうふうにいろいろなかなか進んでこないという面がございますけれども、私は、今こそ、地方六団体ないしは地方の声、当事者の声がもっとこういった分権論議に反映されるべきではないかというふうに思います。幸い、全国知事会は最近闘う全国知事会に衣がえをしたそうでございますし、地方六団体の意見が例えば地方制度調査会ですとかそういった場でより反映されるような仕組み、これをぜひ検討していただきたいというふうに思います。
昨年夏の改革案にも随分、国と地方六団体との協議機関を設置してほしいとか、あるいは地方公共団体の意見を反映させる場を設けてほしいというようなことがございますけれども、これはどういうふうに具体化していただけるでしょうか。
■前田主査代理
武智自治行政局長。
時間が来ましたので、手短にお願いします。
■武智政府参考人
これまでも、さまざまな場で地方六団体を初め地方公共団体側からの意見が開陳されまして、国の制度等に反映されてきたというふうに考えております。さらにこれを充実させる方策ということで、現在、二十八次地方制度調査会で、地方公共団体に関係のある国の制度等に対する地方公共団体の意見の反映の確保のあり方ということで審議が行われているところでございますので、これを見守ってまいりたい、かように考えているところであります。
■西村(智)委員
時間ですので、終わります。