■西村智奈美分科員
民主党の西村智奈美でございます。
きょうは、予算委員会の分科会で内閣府に対して御質問をさせていただきます。主に用意させていただいているテーマは二つ、男女共同参画関連といわゆる官製談合についての二つでございまして、まず、男女共同参画関連の方から質問をさせていただきたいと思います。
日本の中で、内閣府の中に男女共同参画局が設置をされ、細田官房長官が担当大臣ということで非常に積極的に取り組んでいただいていることと思いますけれども、まず細田官房長官から、このテーマに関してどれほどの思いを持って取り組んでいただいているのか、そこからお聞かせいただけたらと思います。
■細田博之官房長官
男女共同参画問題については、非常に多面的な要素があると思います。
日本の古い社会的風習から、どんどん近代国家になり、その中に古い因習のような男女差別が存在したり、女性にとって働きにくい、また子育てをしながら働くということが非常に難しいとか、そういう環境があります。また、職を得まして働いておりましても、男女において条件の優劣等もある、差別もあるというようなところもございますし、不利なところもある。 他方、世界的に見ますと、欧米、あるいはアジアにおいても、中国その他を見ましても、非常に女性の参画がまさに男女平等で進んでおりまして、その点では日本はおくれておるというふうにも思うわけでございます。
また、非常に少子化になってまいりまして、そういった問題が、人口が減っていく、もう来年からは減少するということも大きなかかわりがある。少子化問題は、担当の南野大臣もおられますけれども、これは両々相まってこの社会問題に取り組んでいかなければならない。
たくさんの要素がございますので、一言では言い尽くせないわけでございますが、非常に日本社会にとっても日本の将来にとっても大切な問題であると認識しております。
■西村(智)分科員
細田官房長官からは、男女共同参画政策に対して非常に理解のある姿勢で取り組んでいただいているということを今お聞きできたと思っております。
少子化対策についてもいろいろ言われてはおりますけれども、男女共同参画政策と根っこは同じというふうに今の発言の中から聞き取らせていただきましたし、まさにそういった意味では、男女共同参画社会基本法の中に言われておりますとおり、この課題は日本の最重要課題であるというふうに言われておりますので、今後とも積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
ただ、先ほどおっしゃっていただいたように、日本の現状は残念ながらまだまだと言わなければいけません。北京行動綱領の策定から十年になりますけれども、この十年の間、国際社会の中で、ジェンダーエンパワーメント指数、GEMというふうに呼んでおりますけれども、この数値で見ますと、日本のランキングは何と二十七位から三十八位に下がっているわけでございますね。率直に申し上げて、グローバルな基準と日本の現状との間はどんどん格差が広がってきているというふうに言わざるを得ないのではないかと思います。
そこで、予算関連について御質問なんですけれども、実は、私は民主党の中で男女共同参画政策調査会の事務局を担当しておりまして、先般、関連予算についてヒアリングを受けました。総額では十兆六千億ということでしたけれども、率直に申し上げて、男女共同参画政策と果たしてどれほど関連のある予算の中身になっているのかということを非常に疑問に思うところもあったわけでございますけれども、担当大臣、官房長官としては、今回の予算案、とりわけ男女共同参画関連、どのように評価していらっしゃるか、お聞かせください。
■細田長官
おっしゃいますように、平成十七年度の予算として御審議をいただいております要求ベースでいうと、いろいろ整理をすると十兆六千二百九十億円も男女共同参画関係予算があると言われておるわけでございます。しかしながら、これをつぶさに見ますと、社会保障関連の予算が全部入っているとか、考えてみると、これは男女共同参画に無関係ではないというものが全部入っておる、大きな数字であります。
しかし、これは、予算をいろいろな関係で整理するときに、やはり関係があるのであるから算入すべきであるといういろいろな慣例がありまして、どうしてもこうなってしまうわけですね。厚生年金保険国庫負担だけでも四兆円、これを入れたり国民年金を入れたりするということでございますので、その中からいろいろ取り分けて詳細に分析しなきゃならないと思います。
内閣府の関係の男女共同参画局の予算で見ますと、政府案ベースで四億一千二百万円ということで、一千百万円増ということで二・七%増となっておりますので、厳しい予算の中では一応の重点予算であるということは認められていると思っているわけでございますし、これらは、中を見ますと、男女共同参画の慣行、制度の見直し、意識改革の予算とか雇用の関係の予算とか、細かい予算がいろいろ入っておりますが、これは表をごらんになっていると思いますので、余り細かく申し上げることは控えたいと思います。
今後とも、男女共同参画の趣旨、特に十一の重点目標に沿った予算額というのをしっかりと確保してまいりたいと思っております。
■西村(智)分科員
総務省の予算などでは、こういう説明があったんです。女性消防団員の活動環境整備、加えて、婦人防火クラブとの具体的な連携方策についての検討、それがいわゆる男女共同参画関連予算であるということでしたけれども、このとき、非常に驚いたんですけれども、家庭にいるのが婦人、そういう御説明が実は聞かれたわけでございます。こういった施策が男女共同参画関連予算として説明されている現状というのは、私は、これは内閣府としてはもう少し、やはりもう一歩前に踏み出して積極的に取り組みをいただきたい一つの事例であると思っております。
つまり、男女共同参画関連予算は、男女平等の視点、ジェンダーの視点、それがしっかりと生きてこその予算であるというふうに思っておりますし、そしてまた、今回の基本計画の改定に当たりましては、十一の重点項目に限らずに、関連するあらゆる施策に男女共同参画の視点を持って取り組むことの重要性をこれははっきりと書くべきだというふうな指摘もあるわけでございます。
それで、次のお伺いなんですけれども、基本計画の改定に当たりまして、こういったジェンダーの視点をしっかりと持って取り組むこと、あるいは新しい分野への取り組みということの必要性について、今の時点ではどういうふうに検討が進んでいるのか、お聞かせください。
■細田長官
現在、男女共同参画基本計画に関する専門調査会におきまして、新しい基本計画の策定に当たっての基本的考え方について調査検討が行われております。専門調査会においては、次期基本計画に新たに盛り込む事項といたしまして、科学技術、地域おこし、町づくり、防災、災害復興などの分野が取り上げられております。
実はきょう、この予算委員会等が終了いたしまして、ちょっと夕方遅くなるんですが、六時十五分から約一時間、男女共同参画会議が行われるわけでございまして、これらの今申し上げたような分野を取り上げまして、有識者の方々と意見交換をすることとしております。意見交換といいましても、この分野で非常に権威のある委員の皆様方にお願いしておりますので、それぞれの分野ごとに活発な意見をいただくということでございまして、毎回、この参画会議というものは非常に有意義な議論をさせていただいております。
そしてまた、おっしゃいました現行の計画におきまして、ジェンダーに敏感な視点の定着を図るということが明記されているわけでございます。今伺いますと、まだまだ敏感でない方々がいる、この日本の社会の中にもまだまだたくさんそういう方もおられるわけでございますが、できるだけそういった面での意識の啓発普及活動をこれからも強力に行っていかなければならないと思いますが、ジェンダーに敏感な視点の定着を図るということを明記されておりますので、次期基本計画においても明確に位置づけをする必要があると考えております。
今後、専門調査会におきまして、中間的な論点整理を公表しまして、各界各層からの意見を取りまとめる予定であります。それらを参考とした専門調査会からの報告を受けて、夏ごろに予定されております男女共同参画会議からの答申を踏まえまして、新しい基本計画の策定に取り組んでまいりたいと思います。
西村議員も、この御担当ということで責任あるお立場で取り組んでおられますから、何かまたさらにいいお知恵があれば承りたいと思っております。
■西村(智)分科員
基本計画の策定のときに、ジェンダーに敏感な視点を定着させるということについては、専門調査会の皆さんからも工夫を凝らしていただきたい、知恵をおかりしたいというふうに思いますけれども、ぜひともこの点がしっかりと生きてくるように、私は、基本計画の中にジェンダーに敏感な政策立案をするということを義務づけてもよろしいのではないかというふうに考えておりますけれども、ぜひその点を含めて御検討をお願いいたします。
さらに、先ほどの御答弁の中で、意識啓発をこれからも進めていきたいということでございました。ところが、実際には、意識は少しずつ変わってきているというふうに見てもよろしいのではないでしょうか。内閣府の方で行っております男女共同参画社会に関する世論調査では、夫が外で働き、妻は家庭を守るべきだ、そういういわゆる性別役割分業意識について反対が賛成を上回っている、ことし初めてだそうでございますけれども、そういう状況になりました。
意識は変わりつつあるんですが、まだ実態のところではそれほど進んでいないということでございます。こういう状況になっている要因、つまり、意識は少しずつ変わりつつあるけれども、実際のところでは、先ほど大臣が冒頭おっしゃってくださった働き方の問題、育児や介護の家事の分担の問題、そういったことが進んでいかない要因というのは一体何なんだというふうにお考えでしょうか。
そしてまた、そういった阻害している原因を乗り越えていくために、今後、具体的に何をどういうふうに取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
■細田長官
いろいろな要素がありますし、これまでの家庭における教育あるいは夫婦の関係とかいろいろなものが影響しているとは思うわけでございますが、先ほどおっしゃいましたように、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだという考え方については、この調査開始以来初めて、そうではない、そういうものではないという意見が上回ったわけでございます。
しかしながら、女性の育児休業取得率は七三%なのに男性が〇・四四%であるとか、それから、予算委員会あるいは内閣委員会でもいろいろ御議論はありますが、女性が出産をしてまた勤めようとするとさまざまな障害や不利があるというような実態があるとか、いわゆる共同参画で一緒に働く、女性も働く場がどんどんふえてくるといっても、その後の条件等においても大きな差があるという事実もたくさん指摘されております。
そういった中で、これは私は今個人的にも思うことですが、いよいよ人口が下がってくる、それで、もう女性は自分が子供を出産しよう、もちろん、これは夫婦で相談をしながらということでございますが、そういうことにおいて非常に低下をして、出生率が下がってくるという今の実態。そして、人口が減少を始めるというときに、今まで無理解であった男性とかあるいは企業の意識がもうコペルニクス的転換をする時期が来たんじゃないかなと。
それが、私も男女共同参画の担当大臣としても、少子化対策の担当大臣と相協力して、ここで大いに政策を進めるチャンスではないかと思いますので、そういった決意をまた新たにしておるところでございます。これは経済界とか地方公共団体とか、幅広くこういった意識をさらに進めていく必要があるのではないかと思っておるわけでございます。
■西村(智)分科員
官房長官、よろしくどうぞお願いいたします。とりわけ、最後のところの経済界の協力なくしてはやはりこの分野の政策は進んでいきませんので、ぜひそこは、最後におっしゃっていただいた心強い決意の言葉を常に傍らに置いて、これからもどうぞよろしくお願いいたします。それでは、関係の質問はこれで終わらせていただきます。 続きまして、いわゆる官製談合のことにつきまして質問をさせていただきます。
私の選挙区は新潟一区、新潟市でございまして、今回、大変残念なことに、新潟市での官製談合事件が発覚をいたしました。公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づいて、事業者に対して勧告を行いました。また、発注者である新潟市長に対しまして、入札談合等関与行為防止法、いわゆる官製談合防止法と呼ばせていただきますけれども、その規定に基づいて改善措置要求を行ったところでございます。
今回、官製談合防止法に基づいて改善措置要求が行われたのは、新潟市と、もう一つ、北海道の岩見沢市、この二つであるわけでございますけれども、まずお伺いですが、新潟市の件に関しまして、発注者である新潟市長に対して改善要求書が恐らく出ていることと思いますけれども、その改善要求書において、談合にかかわった新潟市の部署及び役職の方の個人名を特定しているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
また、あわせて、岩見沢市のケースですけれども、こちらにおける改善要求書では、部署名あるいはかかわった方の個人名、この記載があるのかどうか、そこを確認させていただきたいと思います。
〔主査退席、西川(京)主査代理着席〕
■楢崎憲安政府参考人(公正取引委員会事務総局審査局長)
七月二十八日に、新潟市長に対しまして改善措置要求書を手渡したわけでございますけれども、その要求書におきまして、個人名等特定をして、こういった事実があった、そして改善措置をしていただきたいということを要求しているところでございます。
そして、岩見沢の件、一番最初の改善要求でございますけれども、これにつきましては、職名のところの特定というような形になっております。
■西村(智)分科員
官製談合防止法がスタートいたしましてからこの二つのケースだけしかないわけですけれども、なぜ、新潟市に対する改善要求書だけに関与されたとする者の個人名が記載されたのでしょうか、なぜ、岩見沢市に対する改善要求書ではそういった記載がなされなかったのでしょうか。
■楢崎政府参考人
岩見沢の件につきましては、一番最初にいわゆる官製談合防止法の適用事例といった形で、そういった形で処理をしたわけでございますけれども、新潟市につきましては、その後の、岩見沢市の事例等を踏まえまして、より適切な形で改善要求をし、また具体的な形で改善要求をした方が調査をなさる上で有効であろうというふうに考えて行った次第でございます。
■西村(智)分科員
今の御答弁は、聞き方によっては岩見沢市に対する改善要求書が適切に行われなかったというふうにも聞こえます。また、その後の調査なりが適切に行えるようにということの御答弁のようでございましたけれども、その真意は何なんでしょうか。もう一度御答弁ください。
■楢崎政府参考人
岩見沢市におきましても、当局におかれましてきちんとした調査が行われたというふうに承知しておりますけれども、個別の事件ごとにどういうふうな対応をとって要求するかといったことは、事件ごとの特性に応じて判断していくべきものと考えているところでございます。 そういった意味で、この新潟市の案件につきましてはそのような形で改善要求をしたということでございます。
■西村(智)分科員
それでは、次に確認をさせていただきたいのは、新潟市長に対して手渡したとされる改善措置要求書、これはそれ以外のところには渡っていないでしょうか。私のところに説明に来てくださったときに見せていただいた資料には、概要ということで記載がございまして、部署名までは書いてあったんですけれども、個人名までの記載はございませんでした。どうでしょうか。
■楢崎政府参考人
いわゆる官製談合防止法に基づいて改善措置要求をしたといったことについてのその概要につきましては、公正取引委員会として行った職務であるということで、公表、新聞発表等しているところでございますけれども、改善要求書それ自体につきましては、先ほど申しましたように、新潟市長に手交したといったことでございまして、私どもの方からその要求書を市長以外のところに手交したといった事実はございません。
■西村(智)分科員
改善措置要求書は新潟市長以外のところには渡っていないということを確認させていただきました。
それで、その改善措置要求書が手交された後というふうに承知しておりますけれども、公正取引委員会が調査に入った後になりますね、検察が公正取引委員会に強制捜査に入るに至りました。これは初めてのケース、二つしかないんですから初めても何もないのかもしれませんけれども、この検察の強制捜査を受けたことについて、公正取引委員会としてはどのように受けとめていらっしゃいますか。
■楢崎政府参考人
検察当局の方で偽計入札妨害罪として捜査を開始されたわけでございますけれども、その端緒を得て、裁判所の令状を得て、公正取引委員会で留置している資料等について押収、捜索、差し押さえがあったということでございます。
■西村(智)分科員
私は、事実経過ではなくて、どういうふうに受けとめていらっしゃるかということをお伺いしたんです。
■楢崎政府参考人
当然、公正取引委員会といたしまして、入札談合行為といったものは悪質な事案であるというふうに考えておりますし、また、それに市職員等が関与するということはあってはならないことでございます。そういった入札談合関与等行為を防止する観点から、検察当局におかれまして捜索をされ、また起訴されたといったことは、こういった行為を防止する観点から一つの意味のあることだというふうに考えているところでございます。
■西村(智)分科員
私も、官製談合については、これはあってはいけないことだと思っておりますし、今回、私の地元自治体で起こったということを大変残念に思っておるんです。
ただ、今の御答弁ですと、検察が公正取引委員会の方に強制捜査に入ることも、それは明らかにする上で一つの意義のあることであるというような御答弁でしたけれども、それでしたら、公正取引委員会は一体何を目指して職務を行ってきておられるのかということになりはしませんでしょうか。
私は、そういった意味からも、公正取引委員会の仕事のシステム、あるいは官製談合防止法の法律のありようそのものについても、いろいろこれから議論をしていかなければいけない大きな問題点があるのではないかと思っております。 公正取引委員会のOBである平林氏とおっしゃる方、こういうふうにおっしゃっておられます。検察の強制捜査によって官製談合の構造が初めて明らかになる、刑事事件では被告個人しか罪を問えない、業界全体でいかに談合をしたかの全貌を示すのは審判だけである。
つまり、こういう発言を公正取引委員会のOBの方がされているということを含めて考えても、公正取引委員会では官製談合をそもそも明らかにできない、防止できない、こういう仕組みになっているというふうなことをこの平林氏自身が語っているのではないか、こういうふうに理解をせざるを得ない。これは私の感想なんですけれども、いかがでしょうか。御所見がありましたら伺います。
■竹島一彦政府特別補佐人(公正取引委員会委員長)
いろいろ御指摘をいただきましたが、新潟の件に関しましては、そこからちょっと私も重ねて御説明させていただきたいんですが、私どもも、これは官製談合の事実があるということを認識したわけでございます。しからば、なぜ公正取引委員会がみずから告発しなかったのか、こういうことになるわけで、検察当局に資料を押収されるというのは公正取引委員会としてみっともないではないか、こういうお気持ちもあるかもしれませんが、確かに、そこはこういう経緯なんです。 本体の入札談合事件を告発する場合には、それに伴って官製談合の事件についてもかくかくしかじかの職員がこういう行為をしておりましたよとあわせて告発するということは、実際問題できるわけでございますけれども、今回、残念ながら、本体の方の入札談合事件そのものが刑事告発に至らなかった。それは、そこまでの、刑事告発の条件をクリアするだけ審査が深まらなかったということでもあるんですけれども、そういたしますと、官製談合だけ切り離して単独で告発するというのは、実際問題なかなかしにくいという現実がございます。
そこで、では、何で検察庁が公正取引委員会に来て、留置している資料を押収するのか。これは、我々は行政調査、任意調査でもって捜査している。これは一般的にそうなんですが、行政調査権限で得た情報なり資料なりを犯罪捜査のために用いてはならない、そういう規定があるわけでございます。右から左に資料が使えればある意味じゃ効率的なんですけれども、それはいかぬということになっておりますので、公正取引委員会としては、部分的な情報は得ているわけですけれども、それを、あくまでも任意調査で得た資料でございますから、検察当局に渡すわけにはいかないんです。
そこで、それをクリアするためには、検察当局が令状に基づいて押収するという、そういう手続でこちらが持っている情報を得て、それで向こうのお仕事をしていただく、こういうことになっているわけです。それでそういう形をとったということでございまして、私どもは、今回の検察庁のおやりになったことは大変意義があるということで、評価をしております。
それから、これから先なんですけれども、本当に悪質重大な独禁法違反事件というものについては、刑事告発をこれからさらにきちんとやっていかなきゃいかぬということはそのとおりなんですが、現実問題、さっき申し上げたように、証拠とか証言というものが得られませんと、刑事告発のバーというのは非常に高いわけでございます。こういうことでやっていたぐらいの話じゃだめなんでございまして、非常に具体的な情報なり証拠なりというものを押さえないと、刑事告発に持っていけない。
そのためには、今の任意調査である行政調査権限しか持っていない公正取引委員会ではだめだ、やはり、脱税とかにあるような犯則調査権限という強制調査権限を持つ必要がある。そういうことになりますと、より証拠を得られやすい。
さらには、今、独禁法の改正でお願いしております課徴金減免制度ということで、会社として具体的に自白をしていただくと、具体的な証拠が得られます。そうすると、その中に、実はこの件は官製談合だったんです、役所のだれそれさんからこういう指導なり情報があったんですということがあわせて出てまいりますので、官製談合についても刑事告発がよりできやすくなるだろう、その必要があるだろう、こういう現状の欠陥部分を補う改正も、今回、この国会で継続審議でお願い申し上げている独占禁止法の改正法案に盛り込んでいる、そういうことでございまして、公正取引委員会として、官製談合を含め、要するに談合の防止のためには、これからますます毅然として対応していきたいというふうに思っているところでございます。
■西村(智)分科員
時間が来てしまったんですけれども、今の委員長の御答弁の中には、大変重要なポイントが幾つか含まれていると思います。行政調査権限しかないので、そこで調査した資料なりは、これは犯罪捜査には使えないということですけれども、この調査資料を検察が押収して、それがいわゆる証拠書類などとして流用されているかどうかを確認されたのかどうか、これがまず一点です。
■西川京子主査代理
時間が来ておりますので、要望は簡潔にしてください。
■西村(智)分科員
まず、その点について最後に確認をさせていただきたいと思います。
それから、独禁法の改正につきましては、これは私たちとしても必要だというふうに思っておりまして、もう今の仕組みの中では明らかにすることのできないことをしっかりとやるために改正はすべきだというふうに思っております。
最後の点、確認させていただけますか。
■西川(京)主査代理
時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
■楢崎政府参考人
検察当局においてどういうふうに証拠としてお使いになっているかどうか、詳しくは存じ上げませんですけれども、当然、公正取引委員会が留置した資料を捜索して差し押さえたということでございますので、そうした資料の中には証拠として活用されている部分もあるのではなかろうかというふうに考えております。
■西村(智)分科員
終わります。