■西村智奈美委員
民主党の西村智奈美でございます。
新潟県の中越地震で被災した農林水産業の関係、その復旧復興に向けた取り組み状況などについて質問させていただきたいと思っております。
今回被災した農山村、本当に大変に厳しい現状でございまして、大臣は、地元自治体の方から少し待ってくれというお話で、まだ現地に入っていらっしゃらないそうですけれども、これは、実際に現場を見た者の一人としては、一体あの惨状をどうやって語って表現したらいいんだろうかということで、まさに語る言葉を持たないという気持ちでおります。
そもそも、今回被災した地域のほとんどは中山間地でございまして、美しい棚田が広がっている地域でした。中山間地の農業が平場の農業、水環境、こういったものを守っているということについてはもう広く知られていることでございますし、また地域の中では、例えばそういった美しい風景と蛍を再生させようというような環境啓発を行っているという動きもございまして、そういった棚田ですとか牛、ニシキゴイなどの地域の特産品を維持してきてくださっていた地域に暮らす住民の皆さんの日々の努力のおかげで、私たちの日常生活の潤いや安心感というものがある。そうした地域の農業が今大変に厳しい現状にさらされているということで、きょうは、できるだけそういった地域の皆さん、農家の皆さんに希望を持っていただけるような、そういう質疑にさせていただきたいと思っております。
最初に大臣にお伺いしたいんですけれども、まだ現地に入っていないということでございました。ちょっと待ってくれというお話だったというふうにお聞きしましたけれども、待ってくれと言われたのはいつのことですか。
■島村宜伸農林水産大臣
私ども、公私にわたっていろいろおつき合いが長いものですから、この問題が起きたときにすぐ見舞いの電話を入れて私どもの姿勢を伝えて、それから何度かこちらからはその姿勢と自分たちの意思を伝えてございます。それについては向こうも、非常にそれを多とするけれども、もう少し被害状況をしっかり把握してから大臣には来ていただきたいと。先ほど来お話がありましたように、私どもでは早速対策本部をつくって、岩永本部長あるいは大口副本部長、お二人そろって現地に出向いていただいているわけでありますから、私どもは、そのお話がいただけたらすぐにでも伺う態勢を持ちたい、こう思っております。
■西村(智)委員
待ってくれと言われたのは、では、そうしますと少しさかのぼって、何日か前ということになるんでしょうか。
ぜひもう一回、そろそろ行けるかどうかということを聞いてみてください。地元自治体の方は、やはり当初は緊急支援、食料の調達、炊き出しですね、こういったものに追われておりましたし、忙殺をきわめていたという状況は本当に私もよく存じ上げておりますけれども、やはりそろそろ見ていただきたい、現場へ行って見ていただきたいということを強く要望したいと思います。御答弁は結構です。
■島村大臣
両陛下も激励に、お見舞いをなさったことでもありますし、私どもは当然、いわば当事者あるいは責任者でありますから、いつでも要請があればそちらへ出向きたいという考えでおりますし、これは何も、向こうへ通り一遍の話をして、先方からそう言われたのをいいことにこちらで待機をしているということではございません。極めて前向きな姿勢で待機をしている、こういうことでございます。
■西村(智)委員
そのお言葉を聞いて、安心いたしました。
今回の地震の特徴、五つぐらいあるのではないかと思っています。
まず一つは、先ほどの数字でも挙げられておりましたけれども、農林水産業の分野だけで既に、まだ実態調査が途中であるにもかかわらず、千四百四十億円を超える被害が認められているということ。これはもう、農業県たる新潟県にとっては、この被害が大きいということのイメージは大きいですね。
二番目の特徴、これは、被害もまた広範囲に及んでいるということ、個人や集落単位での努力ではとても復旧や復興は難しいということ。
そして三番目には、農業の経営形態、担い手、こういったものが変化してきている中での災害であった。例えばキノコの話が出てまいりましたけれども、こちらも経営形態が少し変わってきておりまして、旧来型の支援策では恐らくカバーできないものが出てくるんだろうというふうに思っています。
四番目、本格的な雪の季節がもう目前であるということ、だから急がなければいけないということですね。
五番目、中山間地の農業、これは、中山間地直接支払い制度、ようやく定着してまいりましたけれども、そういった中山間地の農業が岐路に立っているときでの災害であったということ。これは挙家離村のおそれすらあるというふうに私は思っております。
阪神・淡路大震災、同じ地震ですのでよく比較されますけれども、あの阪神・淡路大震災は都市型災害、都市型地震というふうに言われておりました。今回の新潟県中越地震は明らかに農山村型地震だというふうに思っております。ですから、農林水産省の皆さんからまさに先頭に立っていただいて、復旧復興に努めていただきたい。そのときには、恐らく新しい発想での対策というものも必要になってくるでしょう。
そこでお伺いなんですけれども、先ほど来もずっとお話がございました来年の作付に向けては、非常に複雑な思いで地域の皆さんはおられることだと思います。来年も作付はしたい、だけれども、現状のままではできるかどうかわからない。ただ、集落機能がまだ地域では残っておりますから、支え合いながらともに頑張ろうという気持ちは持っておられるところだというふうに思うんです。
ところが、実際には不安もあって、調査もままならない、ようやく県の方の農業経営再建支援チームですか、これが立ち上がりまして、聞き取りを始めたところだということなんですけれども、雪が降るということが迫っていたり、水田の亀裂、これが無尽蔵、そしてまた田んぼの液状化というようなことも起こっております。一見大丈夫そうな田んぼでも、地下水脈が変わったことなどによって、実際はやってみなきゃわからないという農家の方々の声も多かったです。棚田の崩落、そして排水路が浮き上がったり、あぜが壊れていたり、もう本当にこういうような状況でございますけれども、私も現場に行きまして、来年の春、本当に作付ができるのかどうかということを率直に心配せざるを得ませんでした。
それで、質問ですけれども、来年の作付に希望をつないでいる地域農家の皆さん、こういった皆さんの声を受けて、実際にどういうふうに対策を考えていらっしゃるのか、水田の復旧に具体的にどういうふうに取り組んでいくのか、方針を示していただきたいというふうに考えています。お願いします。
■島村大臣
農業の生産基盤である農道とか水田とか、これらにつきまして、いわば緊急を要する復旧の問題があるわけでありますけれども、災害査定を待たずに我々は復旧工事に着手し、少なくも来年、できることなら三月末ぐらいをめどに復旧作業を終えて、新しい農作業に取り組むきっかけになるような環境づくりをしたい、こう願っているところです。
ただ、先ほど来たくさん御指摘がありますように、想像を超える今回の被害でございますから、言うべくしてなかなか思うようにいかない面もございまして、今それらについてどれだけのことができるのか、鋭意調査をしているというのが現実であります。
いずれにいたしましても、県、地元と緊密に連携をとりながら、速やかに災害復旧事業が実施できるようこれからも鋭意努めてまいりたい、そう考えます。
■西村(智)委員
県の方でも、昨日でしょうか、経営対策会議、これを県と農業関係団体とで構成して立ち上げたようでございまして、まず何を最初にやるのかというふうにお伺いしましたら、ゾーニングを先にやるんだと言っておりました。つまり、雪が降るに任せるところと、手を入れて来年耕作地として復旧させるところと分けるというふうな作業をやるとおっしゃっておりましたけれども、いかんせん人手不足の中でございますので、政府の方からも、ぜひバックアップをお願いしたいというふうに思っております。
そして、二番目の質問は米の生産調整との関係ですけれども、米改革、今年度からスタートしたと先ほどのどなたかの御答弁の中にもございました。平成二十二年度までに米づくりの本来あるべき姿の実現を目指すという中で、ことしから生産数量を調整する方式に転換した。平成十六年度米の全国の生産目標数量は、需要見直しなどを勘案して八百五十七万トンというふうになっています。これは都道府県別の生産目標数量として決定して、生産出荷団体等が生産調整方針を策定して主体的に生産調整に取り組む仕組みになっているということでございます。
平成十七年度米については、客観的な需要予測を基礎に十六年の秋に決定するということになっておりますけれども、まず、十七年度米の生産目標数量は、これは通告はしておりませんけれども、どこまで決まっておりますか。
■村上秀徳政府参考人(農林水産省総合食料局長)
十七年の生産目標数量の決定でございますけれども、現在、作業を進めているところでございまして、食料・農業・農村審議会の意見を聞いた上で定めたいというふうに考えておるところでございます。
■西村(智)委員
先ほど、鹿野委員の冷害により著しい被害を受けた地域には配慮をすべきではないかという御質問の中で、十八年度米に反映させる、十八年度米の生産目標数量に反映させるという御答弁がございましたけれども、私は、これはぜひ十七年度米の数値に反映させていただきたいと思っております。
今回の地震で被害のあった新潟県、魚沼産コシヒカリなどでブランド米が確立されておりますし、今年度の数量は五十八万七千三百二十トン、これは別の機会でまた論じさせていただきたいと思っておりますけれども、適地適産、ブランドを生かす、こういった観点から、私はこの数字はもうちょっとふやしていただきたいという思いはありますが、きょうのお伺いは、来年度の生産目標数量で被害のあった地域、県に配慮はいただけないのかどうか、この辺をお聞かせください。
■村上政府参考人
新しい米改革の中で、生産者それから生産者団体が自主的に需要に応じた生産をしていく、こういう方向で、少なくとも平成二十年度にそういう主体的な取り組みへ移行するということで、その移行期間の第一年目ということでございます。
そういうことで、十七年産の都道府県別の生産目標数量の設定につきましては、平成十一年から十五年までの各都道府県の客観的な需要実績をもとに、需要に応じた生産を促進する手法で算定するということにしているところでございます。
作況がいろいろ違う場合について、これは十一年産あるいは十五年産までの需要実績につきまして、平年作までの作況補正をするということは行うわけでございます。十六年産、本年産の生産量が減少した場合につきましては、しかるべく補正をした上で十八年産米の生産目標数量の算定に反映する。過去の販売あるいは需要の実績に応じて算定をする、配分をするという基本的な考えでおりますので、現在、十五年産までの需要実績ということでいくのが適正ではないかというふうに思っているところでございます。
■西村(智)委員
何のための米改革なのかなと思うわけですね、今の御答弁などをお伺いしますと。
実際に被災された地域では、もう来年の作付はできないかもしれないとおっしゃっている農家の方々がたくさんおられます。農林水産省の方では工夫していただきまして、救農土木ですか、行っていただけるということになったようでございますけれども、そもそも来年の生計をどうやって立てるかという地域農家の皆さんの問題もまたあるわけでございまして、来年の生計が立てられるかどうかということは、これは中長期的に見れば、これからも農業を続けられるかどうかという問題と直結してくるのではないかと思っています。
ぜひとも十七年産米から反映していただけるようにお願いしたいと思いますし、また、その場合、被害地域における農家の方が、例えば生産調整を行っている水田を活用して作付を行うことができるように、県や市町村、そして関係団体で取り組めるようなそういう体制をつくるべきだというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。長岡市を初め近隣市町村、こういったところの休耕地を被災した農家の皆さんにお貸しして生計を少しでも助ける、そういう相互扶助的なことがやれるのかやれないのか、お伺いいたします。
■村上政府参考人
生産目標数量の県別の配分につきましては、先ほど申しましたように、あくまで需要実績に基づく客観的な手法で都道府県別の生産目標数量を算定する必要があるというふうに考えておりまして、本年の災害による被害状況を十七年産米の配分に当たって配慮することは適当ではないというふうに思っております。これは、先ほど申しましたように、十八年の生産目標数量においては作況補正をするという形の中で反映していく。それから、十五年産の不作の問題につきましては、十五年産の需要実績の作況補正の中で十七年産の生産目標数量の配分に反映されるということでございます。
それから、被災地におきまして、水田が破壊されたりしておる状況の中で、来年の作付について大変不安を抱くというようなことがあるというふうに御指摘でございまして、これも我々もよく認識しているところでございます。国の方から各県に生産目標数量を配分するわけでございまして、これを各市町村に県のレベルから配分をされるわけでございます。市町村におきましては、営農を安定的に継続するということに配慮して配分が行われるというふうに考えております。
したがいまして、市町村は、被災された農家がこれまで水稲作付してきた水田には、来年度にも継続的に水稲を作付できるように、必要な生産目標数量の配分を行うと考えております。その場合に、今御指摘のように、被災を受けた農家の一部の水田が作付できない場合については、近隣の農家の休耕地について貸し借りを行うというふうなことによりまして、配分された生産目標数量の米を生産するということも可能でございますので、市町村段階での弾力的な運用によって、御指摘のような要請にこたえられるのではないかというふうに考えているところでございます。
■西村(智)委員
次の質問に移ります。
山古志村で飼育されていた牛の話でございますけれども、二十四戸で約千二百頭、牛舎につぶされて死んだ牛もいるようですけれども、生存している牛もいるそうです。ヘリコプターのチャーター料、お伺いしましたら一時間三十万円とかという料金なんでしょうか。自主的に牛を空輸している業者もおりますけれども、ほとんどの農家は経済的な理由から困難だということでございます。新潟県の方では、道路を仮復旧いたしまして、陸路での搬送を計画している、一頭でも多くの牛を助けたいというのは、これは私も同じ気持ちでございます。
ところが、現地、例えば山古志村の東竹沢地区というところがございますけれども、ここに八十頭ぐらいの牛が残っているそうですが、そこに私も、この前の日曜日ですけれども向かいまして、そうしたら、途中で道路が、小松倉という集落を抜けたところで、土砂崩れで完全に埋まっておりました。業者の皆さんが作業しておりましたけれども、余震は来ますし、上空は天然ダムの決壊を防ぐためのトンパックを運ぶ自衛隊のヘリがブンブンと飛んでおりまして、その震動ですら、上の方から石がころころ落ちてくるというような状況で、作業は遅々として進まないわけでございます。
農家の皆さんのお気持ちを考えると本当に言葉をなくすんですけれども、私は、農林水産業の復興という観点から早期に復旧が必要な道路が恐らくあるんだろうというふうに思っています。地元自治体などとも協議していただいて、基幹道路の復旧について、優先的に取り組むべき道路を農家の立場に立って要請していただきたい、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
■岩永峯一農林水産副大臣
先生、さきに、大臣に早く現地に入っていただきたい、こういうお話を大臣とされておられたわけでございますが、大臣、入ってはいただいていないんですが、農水の幹部会の中で、本当に強い御意思で、ともかく農水省としてできることは、規則だとかそういうものにとらわれずに、何ができるかということをいち早く挙げてこいということで、大変な督励をいただいておりますし、そしてそのことをずっと書き上げて、今度は閣議に持っていっていただいて、ほかの省庁も、農水省がこういうことをやっているよということで、閣議にも実は大変な御発言をいただきました。なおかつ、私も、その閣議の発言要旨、これは地元に大きな励みになるだろうということで、山古志村の村長だとか皆さん方のところへ送って、うちの農水省はこういう気持ちで頑張っていますよというようなことを実はしたわけでございます。
それから、今の御質問の中の基幹道路の復旧の問題でございますが、これも議論をいたしております。だから、基幹道路というのは、やはり国道、県道、市町村道、どちらかというと国土交通省に属するものなんですね。そこへ農水省がどういうように関与できるか。山崩れを起こした斜面は、これはやはり国土交通省の管轄なんですね。その上の山は農水省の管轄なわけです。だから、その斜面の分野に今国土交通省が一生懸命に復旧作業をやっているというような状況の中で、農水省として手を下すことができるのか。林道だとか農道というのは、これは全部責任を持って、いち早く査定前着工でやります。しかしながら、基幹道路については、やはりその担当省がやっておるわけでございますので、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
ただ、そういう状況の中でも、うちの方がやれる部分というのをやはり模索してみながら、林野なら林野、そして農村振興局なら農村振興局、何がやれるかというようなことを今模索していただいておりますが、基幹道路という主管は国土交通省になるわけでございますので、ひとつ我々からも十分国土交通省と連携を密にしながら対応してまいりたい、このように思っております。
■西村(智)委員
次に、ニシキゴイについてお伺いしたいと思います。
水産庁の職員の方、担当者の方、現地に派遣していただいて、連絡相談体制を整備していただいたようでございますけれども、どういった支援策が考えられるのか。昭和五十三年、もう随分昔のことかと思いますけれども、山古志村や小千谷市などでやはりニシキゴイが激甚の対象になったことがあるというふうにお伺いしておりますが、今回もそういったことは考えられるのか、伺います。
■田原文夫政府参考人(水産庁長官)
お答えいたします。
先生御指摘の中越地方、特に小千谷市ですとか山古志村、ニシキゴイの国内有数の産地ということでございまして、私どももニシキゴイの今回のへい死等ということにつきまして大変苦渋の気持ちでおります。
今お話がございましたように、早速水産庁の担当官を現地支援室にも派遣しておりますし、相談窓口ですとか、金融機関への償還猶予のお願いですとか、そういったこと等はやらせてもらっておりますが、なかなか山古志村の一部地域におきましては入れないということで、実態の把握、これには非常に苦労しておりまして、きょう、あしたにでもヘリコプター等を飛ばしまして、まず実態調査をする、その中で、例えば親ゴイなんかは持ち帰れるかどうか、そういったこと等の試みはさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
それから、五十三年災害のときの激甚災ということでのお話がございました。私どもといたしましては、差し当たりましての一日も早い復旧ということでございますけれども、そうした点につきましても、県あるいは市町村とよく相談させてもらいながら、先方の御要望にできる限り対応してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
■西村(智)委員
山古志村にとってはやはり牛とニシキゴイが地域のシンボルであるというふうにおっしゃる声をよく聞きます。とりわけニシキゴイは世界的にも名高い産地になっておりますので、ぜひ、廃業する業者などが出ないように、産地の灯を消さないという強いお気持ちで取り組みをお願いしたいと思います。
最後に、内閣府の方、来ていただいていると思いますけれども、今回の災害は、先ほど私が冒頭申し上げたとおり、阪神・淡路大震災が都市型地震だとすれば、農山村型地震である、極めて異なる性質を持つ災害だと思っております。まだ被害実態が把握できていない中ではありますけれども、どんどん季節は変わってくるわけでございまして、雪の季節は目前になってまいります。ぜひ、今回の地震が農山村を中心にして襲った地震であるという認識を強く持っていただいて、新しい発想でのお取り組みをお願いしたいと思っております。
ここから先は立法府の役目の話と重なってまいりまして、実は質問させていただくのもじくじたる思いは多少ありますけれども、阪神・淡路大震災では発生から一カ月とちょっとのうちに特別立法が随分なされました。被災市街地復興特別措置法などは、これは二月の二十六日ですか、極めて短期間のうちに行われておりまして、今回はどうなんだろうか。とりわけこの農林水産分野での被害の大きさを見たときに、特別立法の必要性はないのかと思っておりますけれども、内閣府の方のお考えを伺いたいと思います。
■原田正司政府参考人(内閣府大臣官房審議官)
御指摘いただきましたとおり、今回の中越地震は、長岡市あるいは小千谷市、十日町市、市街地も含みますが、被害の状況はその周辺の、今までお話に出ておりますような山古志村であるとか川口町であるとか、周辺の中山間地域に被害が大きく広がっておるという認識を持っております。
現在までのところ、救助、救援活動を中心に現地におきまして展開をし、政府を挙げて支援を行ってきておるところでございますが、これからいよいよ復旧復興に向けてその取り組みが本格化する段階であるというふうに認識をいたしております。
特別立法についてのお尋ねでございますが、政府といたしましては、現在の法制度、すなわち基盤整備に関しましては激甚災害の制度がございます。まだ指定、確定する段階ではございませんが、その作業を関係省庁協力いただきまして鋭意進めておるところでございます。そのほか、産業支援に関しましては、各種の災害融資制度が活用できるわけでございます。それから、住環境につきましても、災害救助法につきまして法の許す限り積極的な適用、運用をするという方針を決めております。さらには、先般成立を見ました被災者生活再建支援法の居住安定支援制度をできるだけ積極的に適用していこうというふうな対応方針で今臨んでおります。
いずれにしましても、これからの復旧復興に向けて、必要な予算額の確保ということが大変重要なテーマでございます。農林水産省を初めとしまして、関係省庁と連携を密に、復旧復興が迅速に進むように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
■西村(智)委員
答えていただいたのか答えていただいていないのか、よくわからないんですけれども、必要性についてはどうですかと伺ったんですが、取り組むという姿勢だけをお話しいただいたようですけれども、必要性についてはどのようにお考えですか。
■原田政府参考人
現在までのところ、農林水産関係の被害あるいは公共土木関係の被害、被害の全体像がまだ必ずしも明確でございません。現時点で特別立法の必要性を言及する段階ではございませんが、先ほど申しましたとおり、現行の制度を最大限活用する努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
■西村(智)委員
時間ですので終わります。ありがとうございました。