会期末が近づいてきました。数多くの重要法案が立て続けに強行採決されたりごり押しされたりしています。こんな立法府でいいのか、と強い憤りをもっています。
ひとつは防衛費倍増のための財源確保法案です。防衛費のための増税がするっと潜り込まされています。必要な予算についてはきちんと査定したうえで増減するのは当然のことですが、5年で43兆円という巨額の防衛費を何に使うのか、どのような状況で使うのか、トマホークをはじめとして全く説明になっていません。使えない兵器をどんどん買わされているだけではないのか。税金の使い方としても大いに問題があると思います。
マイナンバー法改正案も一度立ち止まるべき、と質問し申し入れも行ってきました。総理は「来年秋に紙の健康保険証を廃止するのは確実に実行する」と遮二無二突っ走り、国民皆保険の根幹を崩そうとしています。河野大臣の処分もやらないようです。介護施設で働く方から、マイナ保険証になっても預かれない、資格確認書をとれるかどうかも分からない、という不安の声も届いています。紙の保険証廃止は、本当にやめるべきです。
また先日は入管法改正案が強行採決されました。難民認定率が非常に低い我が国政府が今回提出した入管法改正案は、国連からも国際法違反ではないかという警告が届いている代物です。加えて、入管での不適切な対応がウィシュマさん死亡の後も次々と明らかになり、立法事実については斎藤法務大臣も答弁が崩壊しており、とても採決できる状況ではありませんでした。人の命にかかわる法案が、その危険性を十分に考慮せず与党とそれをアシストする政党の数の力で通ったことは痛恨の極みです。
そしてLGBT「理解増進」法案です。岸田総理が「法律をつくる」という形だけにこだわった結果、自公が維国の後退法案を丸のみしただけでなく多数派に配慮するというありえない追加修正まで委員会前日の夜中に行い、人権関係の法律案としてはあるまじき姿になってしまいました。岸田総理の限界は、もうとっくに見えていたことですが、ここまでひどいのかと絶望的な気持ちになります。悩んでいる子どもたちの辛さを少しでも減らそうと超党派で議論してきた法案ですが、本当に悔しいです。
でも立ち止まるわけにはいきません。あきらめず、前を向いて進みます。