共謀罪法案が、今朝の参議院本会議で中間報告という委員会採決をすっとばす異例の形で採決され、成立してしまいました。組織的犯罪集団のみを対象とする、という政府の説明ですが、どれが該当するかは捜査してみないとわからないので、一般人も対象とした監視型の捜査をせざるを得ません。この点、線引きはどうなるのか問いただしてきましたが、金田大臣の答弁はご存知のとり二転三転、支離滅裂でした。法施行後はSNSなどが監視されて内心が覗き見られるということになり、日本社会が守ってきた「自由」が脅かされるようになってしまいます。自分がその対象になるはずがない、とは考えられない社会になってしまいます。TOC条約への加盟も法制定の理由の一つとされていましたが、条約はテロ対策を目的としたものではありません。どうも政府の説明は未だにちぐはぐです。どうしてこれで与党議員は賛成できるのでしょうか。
野党は衆議院で内閣不信任決議案を提出し、採決のため昨晩からきょう未明にかけて本会議が開会され私も賛成の一票を投じましたが、否決。数では与党にかなわないことは目に見えていますが、国会が政府の追認機関では断じてないという意思は、どこかで明らかにしなければなりません。家計問題で追及されることを嫌がり、参院法務委員会で強行採決することも回避し、国会を早く閉じたいばかりに「中間報告」によって成立させるのは、巨大与党のおごり、傲慢としかいいようがありません。文部科学省に存在した「総理の意向」文書が国会閉会前日に大臣によって公表されたのもあまりに露骨です。
民主主義は、本来、意見の異なるものであっても議論を経て合意形成をはかっていこうとするプロセスです。権力があれば野党の声など聞かずに強行採決してもいい、このくらいやっても国民は怒らないだろう、というのは、民主主義でもなんでもありません。
週末は、地元に帰り、こういったことを皆さんに訴えてきたいと思います。