安保法制が3月29日に施行されました。2014年7月の憲法解釈変更閣議決定、2015年9月の強行採決、国際環境が変化したから日本の安全を守るため急ぐ必要があるのだと言われてきましたが、実際に法が効力を発揮するのは参議院選挙後とのこと。リスクを先送りして選挙を乗り切ろうということでしょうか。武力行使の「新三要件」は基準が曖昧なため、自衛隊の海外での活動の歯止めになるとは思えません。国民に依然として十分な説明もないまま施行されてしまったことは大きな憤りを感じます。
リスクを先送りして選挙を乗り切ろう、ということで言えば、GPIF(年金積立金管理運用機構)が昨年度の運用損益を例年より遅く7月29日に公表するとしたことにも驚きです。例年なら7月上旬には公表されていました。ところが昨年は基本ポートフォリオの変更により大幅に増やされた株の運用によって5兆円の損失が出ているのではないかと言われています。利得があったときには聞かれてもいないのに大々的に発表し、損失が出たときには聞いても答えず参院選の後になんだかんだと理由をつけて公表を先送りしようとする。このようなごまかしは許すことができません。
さて私は衆議院厚生労働委員会の野党筆頭理事に再任されました。6月1日に閉会することがほぼ確定している今年の通常国会、残りの法案をどのようなスケジュールで審議していくか、与党と折衝・協議する慌ただしい日々が始まっています。野党5党で提出している保育士処遇改善法案と児童扶養手当法改正案の議員立法2法も含めて、十分な審議を求めていきたいと思います。